昨年、被災地で、
20年ぶりの再会を果たしたのだけれど。
今年、さらに記録を更新することになるとは、
思いもよらなかった。
旧友の依頼をどうしても断れず、
23年ぶりに岡山へ。
急なこと過ぎて、バタバタで。
普段、こんなことでは仕事を休めないのだけれど、
事情も言わずに急遽、休みをもらい。
飛行機と新幹線とホテルの手配をして。
過去の年賀状の束をひっくり返して、
連絡の取れそうな友人に連絡するのも一苦労。
年賀状って、案外、アドレスとか載ってないものなのね…。
下手すると、住所しか載っていなかったりして。
でも、時間がない。
とにかく、この情報化時代には負けまいと、
怪しまれたっていいと、
片っぱしから家電に電話した。
そして、数日後、岡山へ…。
23年ぶりの岡山。
遠すぎる記憶に、中々ピントが合わせられない。
私が岡山に住んでいたのは、中学生の頃と高校の3か月間。
新潟の小学校を卒業し、岡山に来て、
高校の夏休みには、千葉に転校させられていた。
■■■ 1日目 ■■■
一先ず、旧友とホテルで待ち合わせ。
23年ぶりに会う友達を探せるか、自信が無かったから、
私の宿泊先のホテルまで来てもらった。
… ? ? ? …
でも、フロントに居るの、あの女性だけだ…。
「みやび、久しぶりやなぁ!!」
あー。こんなにキレイになったんだ…。
あー。なんとなーくだけど、面影はある。
あー。23年ってすごい…。
「ごめん。わからんかった。」
「ほんま? うちはすぐ分かったよ。みやび、変わってねーもん。」
「そう? 節子はきれいになったなぁ…。」
節子は、中学時代の同級生。
そんなに特別仲が良かった訳ではないけれど、
時々一緒に帰ったりしていたような記憶がある。
私が同級生だった間だけでも、苗字が3回も変わるような、
複雑な事情のある家の子だっただけに、私とは気があった。
卒業後も、何となく、何となく、繋がりが続いていて。
20代の後半に、彼女が自殺未遂を図った時、
他県から警察に通報したのも私だった。
「あんときと、今回と、みやびには2回も救ってもらったんやなぁ。」
「あたしがただ、出しゃばりなだけじゃろう?」
そんな話をしながら病院へ。
また明日ね…と一旦別れる。
そこから駅前広場の噴水へ。
大親友だった、美優と待ち合わせ。
「みやちゃーん。みやちゃん、みやちゃん、ほんまにみやちゃんよなぁ。」
あー。みんな細くなるんだなー。
あー。あの美優が、3人の子供の母親なんてなー。
あー。23年ってすごい…。
「みやちゃん。すごーい、すごーい。会えたねー。」
「かわらんなぁ。」
「もうね、電話もらってからどうしていいか分からなくって…。」
「生きてるうちに会えて良かったじゃろ。」
美優とは、中学の入学式の日に出会った。
お互い転校生だったこと、たまたま同じクラスになったことから、
毎日毎日、一緒にいるようになった。
登下校も、部活も、塾も、何でも一緒だった。
ずっと一緒に過ごしてた。
キャピキャピしながらも、積極的ではなく、世間知らずだった美優は、
いっつも私の後ろにいて、どこまでだって着いてきた。
高校受験ももちろん一緒。合格発表も一緒に見に行った。
二人とも第一志望校に合格。また同じ制服を着ることになった。
その後も、文通や旅行をしながら、20歳くらいまで交流があった気がする。
今は3人の女の子の母親で、フルタイムで医療事務の仕事をしている。
今日は、美優のお母さんが子供たちを見てくれているらしい。
年賀状で見る美優の子供たちは、特に長女が昔の美優にそっくりだ。
そして。
ゲストの私を上手にエスコートできないこの不器用さも、
キャピキャピ笑って、私の後ろを歩く姿も、昔と全く変わらない。
とりあえず、居酒屋に入る。
美優は昔と変わらず、メニューだって選べない。
結局、私がオーダーをするのも、変わらない光景だ。
何から話していいか分からくて、
昔話と今までの話がぐっちゃぐちゃになりながら、
とにかく話した。
帰り際に、涙ぐんで寂しさアピールも、
なんて昔と変わらないんだろ。
かわいいヤツめ…。
■■■ 2日目 ■■■
次の日、節子の入院先の病院へ。
手術は予定通りに始まったけど、中々戻ってこなくて。
夕方近くにようやく戻ってきた節子は、まだ麻酔が効いていて、
話すのもやっとな状態だった。
「無事に終わったけん。安心しぃ。また、明日来るけん。」
そう言って、ドクターから一通りの説明を受けて、安心し、ホテルに戻った。
ホテルに戻って、着替えて。
倉敷からわざわざ出てきてくれた元ちゃんと駅で待ち合わせ。
車で待っててくれた元ちゃんは、すぐに元ちゃんだと分かった。
「変わっとらんねー。」
再会を喜び合って、しばしのドライブ。
元ちゃんとは、高校時代、一緒にサッカー部のマネージャーをしてた。
とはいえ、マネージャーは確か7人くらい居たんだけど…。
私の転校で、3カ月しか一緒にいられなかったけど、
その後も電話や手紙のやりとりがあったり、
千葉に遊びに来てくれて、一緒にディズニーランドに行ったりもした。
元ちゃんは、ものすっごく面食いで、
付き合う彼氏はみんな格好良かったけど。
最初の旦那さんは年下で、それまでで一番イケメンだった。
こだわりにこだわりぬいた結婚式のドレスを着た元ちゃんの
「結婚しました」の挨拶状は、本当に幸せそうだった。
届いたよ、と電話をしたら、
「もう、エステもめちゃくちゃ頑張って、
ドレスも、ものすごく時間をかけてこだわったの。」と弾むような声。
でも、その半年後、旦那さんが職場の造船所の事故で亡くなった。
元ちゃんは「死にたい、死にたい」を繰り返すようになった。
そのうち、連絡も中々とれなくなった。
数年後、再婚して子供を産み、改名までした元ちゃんから、
年賀状が届いた。
ホッとした。良かったね、良かったね…心から思った。
2人の娘さんはめちゃくちゃ可愛くて。
毎年の年賀状の中でも、ダントツで可愛い。
そして、スイートピー畑で働いているという元ちゃん。
きっと、前の旦那さんが亡くなった後には、そういう環境が
彼女に必要だったのだろう。…と勝手に想像していた。
お洒落なパスタ屋さんに入店。
今までのことを、お互いに話すだけで3時間は経った。
前の旦那さんを事故で亡くして、傷心だった彼女。
自殺未遂を起こして実家に連れ戻され、
周りの友人が誘ってくれる気晴らしの旅行に行く度に、
出会った男と寝てたと話す。
「正直、相手なんて誰でも良かった。ただ、どうしても子供が欲しかった。」
結婚した時は、新婚生活を楽しんでから子供を作ろうと、
旦那さんと話し合っていたけど、こんなことになるなら、
子供を作っておくべきだった…と悔やんでた。
ようやく妊娠し、再婚しようと思ったら、相手は妻帯者…
ドラマみたいな話。
紆余曲折を経て、再婚。2児の母になったけれど。
今の旦那さんには気持ちが全く無くて。
子供を産んで育てる為だけに結婚して。
そのうち、好きになれるかな…と思っていたけれど。
やっぱり、ウザい。
離婚したくても、生活のことを考えると無理だなって思う。
早く子供が大きくなってくれて、手に職をつけてくれて、
私を養えるくらいになったら、子供と一緒に家を出るのが
今の将来の夢。
元ちゃんは、うつむきながらそう話した。
■■■ 3日目 ■■■
朝起きて、ホテルの朝食のままかり漬けに舌鼓。
やっぱり、みそ汁が好きみたいでおかわり。
帰り支度をして、チェックアウト。
そのまま、節子のいる病院へ。
「帰るけん。あとは、大丈夫じゃろ?」
「彼氏が来てくれるけん、大丈夫。」
「そっか。会わなくて良かったよ。」
彼氏…。
節子の彼氏はいっつも妻子持ち。
いわゆる、不倫ちゃんだ。
今回の彼氏とは、結構長く続いているし、
経済的な援助もしてくれているけれど。
私は、正直、会いたくはなかった。
「いつか、また、会えるといいね。」
そう言って、病院を後にする。
そのまま岡山駅へ。
お土産買うのも一苦労。
特に、職場には、それ相応の物を買っていかないと…。
スーツケースに入りきらない程のお土産を持って。
23年も経てば、
みんな色々なことがあって。
色々なことを経験して。
だけど。
そんなに何かが大きく変わるわけじゃないんだな…。
なんか、その人の「根本」みたいなのが
やっぱりあって、それはそんなに変わるものじゃない…。
そしてそれは、きっと私もそうなんだろう…。
そんなことを考えながら、家路に着く。
久しぶりのママの登場に、どうしたらよいかわからずに困惑する愛犬と、
一人旅なんてさせたら…と心配でたまらなかった嫉妬深いパパが
「お帰り。」と安堵しているのが、
我が家らしくて、それもまたアリかもなと思った。
働き続けて15年。
離婚して10年。
今の家を買って5年。
なんか、様々な節目の年のような気がしてた。
だからかな。
今年はなんだか、騒々しい。
20年ぶりに、叔父と叔母に再会することになり、
犬をホテルに預けて
パパと2人、まだ雪の残る被災地に降り立った。
がれきの山、仮設住宅、つぶれた蔵、崩れた塀、
実がなったまま放置されている柿の木、「除染作業中」の看板、
「セシウム川」「セシウム畑」と皮肉る地元の人々、
「負けるな」「がんばろう」と至る所に掲げられてるスローガン…
復興なんて、そう簡単なことでは無いと思ってはいたけれど、
被災地の現状が、まだこんなにひどいとも想像していなかった。
「こんな所、本当はもう住めないんだから、
それをちゃんと認めて、責任をとって国が買い取るべきなんだ。」
…そんな声をたくさん聞いた。
「お金ばっかりくれてもね…。」
仮設住宅に住んでいる人はもちろん、
叔父や叔母のように、家が無事だった人に対しても、
就労し十分な収入がある人に対しても、
心のお見舞金のようなものが、月々支払われている。
その額も半端ないから驚く。
世帯に対してではなく、住民1人1人に対して支払われるから、
家族が多い家は、そのお金だけで十分やっていけるし、
就労意欲をなくして、街でギャンブルに興じる人も多いらしい。
ちなみに、叔父と叔母は、その見舞金でテレビとブルーレイを購入。
祖母の葬式も出られず、墓参りにも行けず、
ずっと苦しんでいたことを察してくれた叔父と叔母は、
悲願だった、祖父母の墓参りにも連れて行ってくれた。
線香を一束。
しゃがみこんで、何分も何分も、掌を合わせ続けた。
じいちゃん、ばあちゃん、ごめんね、ごめんね…。
やっと来られたよ…。
本当にやっと会えたね…。
墓地の墓も、震災でことごとく倒壊したらしい。
墓を直す為の補償金はどこからも出ないが、
先祖代々その土地に住む多くの人たちは、
何がなくとも、まず墓を立て直したそうだ。
秘湯と呼ばれる温泉で、
叔父と叔母と、20年ぶりの時間。
パパと会うのはもちろん初めてだったけど、
私と違って、外国暮らしが長いこともあって、
コミュニケーション能力に長けているパパにはノープロブレム。
すぐに打ち解けて、叔父と温泉で背中まで流し合ったそうだ。
私の両親は、私が結婚したことを誰にも知らせていないこと
(離婚したことも再婚したことも知らないけど…)、
親戚の中では、私の名前を出すことはタブーとなっていること、
私が20年も姿を現さず、祖母の葬式にすら出ないことも、
みんな様々に思いながら、口に出せないこと等、
私のいない所で色々ある現実を聞かされた。
知っているとは思うけど、
うちの家族は、家族と呼べないくらいバラバラなのよ…。
お互いの住む場所も、連絡先も知らなければ、
会う意思も無いんだから。
でも、そういうのが「親戚」の中にいると、
結構ややこしかったりするんだね…。
ごめんね、迷惑かけて。
そう言った私に。
よるべの無いお前が、不憫でならなかったと言ってくれた叔父。
祖母の形見の指輪をくれた叔母。
全てを守っていくので安心してください、と言ってくれたパパ。
被災地での20年ぶりの再会は、有意義だったと思う。
離婚して10年。
今の家を買って5年。
なんか、様々な節目の年のような気がしてた。
だからかな。
今年はなんだか、騒々しい。
20年ぶりに、叔父と叔母に再会することになり、
犬をホテルに預けて
パパと2人、まだ雪の残る被災地に降り立った。
がれきの山、仮設住宅、つぶれた蔵、崩れた塀、
実がなったまま放置されている柿の木、「除染作業中」の看板、
「セシウム川」「セシウム畑」と皮肉る地元の人々、
「負けるな」「がんばろう」と至る所に掲げられてるスローガン…
復興なんて、そう簡単なことでは無いと思ってはいたけれど、
被災地の現状が、まだこんなにひどいとも想像していなかった。
「こんな所、本当はもう住めないんだから、
それをちゃんと認めて、責任をとって国が買い取るべきなんだ。」
…そんな声をたくさん聞いた。
「お金ばっかりくれてもね…。」
仮設住宅に住んでいる人はもちろん、
叔父や叔母のように、家が無事だった人に対しても、
就労し十分な収入がある人に対しても、
心のお見舞金のようなものが、月々支払われている。
その額も半端ないから驚く。
世帯に対してではなく、住民1人1人に対して支払われるから、
家族が多い家は、そのお金だけで十分やっていけるし、
就労意欲をなくして、街でギャンブルに興じる人も多いらしい。
ちなみに、叔父と叔母は、その見舞金でテレビとブルーレイを購入。
祖母の葬式も出られず、墓参りにも行けず、
ずっと苦しんでいたことを察してくれた叔父と叔母は、
悲願だった、祖父母の墓参りにも連れて行ってくれた。
線香を一束。
しゃがみこんで、何分も何分も、掌を合わせ続けた。
じいちゃん、ばあちゃん、ごめんね、ごめんね…。
やっと来られたよ…。
本当にやっと会えたね…。
墓地の墓も、震災でことごとく倒壊したらしい。
墓を直す為の補償金はどこからも出ないが、
先祖代々その土地に住む多くの人たちは、
何がなくとも、まず墓を立て直したそうだ。
秘湯と呼ばれる温泉で、
叔父と叔母と、20年ぶりの時間。
パパと会うのはもちろん初めてだったけど、
私と違って、外国暮らしが長いこともあって、
コミュニケーション能力に長けているパパにはノープロブレム。
すぐに打ち解けて、叔父と温泉で背中まで流し合ったそうだ。
私の両親は、私が結婚したことを誰にも知らせていないこと
(離婚したことも再婚したことも知らないけど…)、
親戚の中では、私の名前を出すことはタブーとなっていること、
私が20年も姿を現さず、祖母の葬式にすら出ないことも、
みんな様々に思いながら、口に出せないこと等、
私のいない所で色々ある現実を聞かされた。
知っているとは思うけど、
うちの家族は、家族と呼べないくらいバラバラなのよ…。
お互いの住む場所も、連絡先も知らなければ、
会う意思も無いんだから。
でも、そういうのが「親戚」の中にいると、
結構ややこしかったりするんだね…。
ごめんね、迷惑かけて。
そう言った私に。
よるべの無いお前が、不憫でならなかったと言ってくれた叔父。
祖母の形見の指輪をくれた叔母。
全てを守っていくので安心してください、と言ってくれたパパ。
被災地での20年ぶりの再会は、有意義だったと思う。
何かを10年続けようと思ったら
何年の足固めが必要なんだろう…。
何にも続けてこられなかった私には、
その「基礎を作ること」が、
難しくて、長くて、ちょっとだけしんどい。
「石の上にも3年」~どうも間違った石に3年座ってしまったみたいだ…。
「郷に入っては郷に従え」~返事に「はい」以外なんて無い。カラスが白いと言われたって、
ちゃんと「はい」と今なら言える。
仕事はこんな感じか。
プライベートは。
すれ違っているなぁ…。
好きなものが違うって、中々、大変だ。
優先順位が違うって、中々、おっくうだ。
時間が合わないって、中々、体力がいる。
今年はどこに旅行へ行くのやら…。
そんなにこだわらなくてもいいんだけどな…。
一生懸命になられると、かえって面倒くさい…。
夢で好きな所に行って楽しめたら、私はそれで十分だ。
…贅沢か…。
心の底から愛してた。
でも、うまくはいかなかった。
心の底から愛されてた。
でも、やっぱりうまくはいかなかった。
自分の好きなものと
自分に合うもの
それって、どんなだっけ…?
ねぇ。
幸せって。
相手を幸せにすることかな?
それとも相手に幸せにしてもらうことかな?
どっちも違うと
今では思うんだ。
何もいらないよ。
ただ、キミの笑顔が私の心の中にありさえすれば。
-----------------------------------------------------------
何も不自由のない贅沢な日々。
でも
若い頃の情熱や感性は無くなってしまった。
愛した人も
愛してくれた人も
そして私も
今では家庭を持ち、それぞれに幸せに暮らしている。
あの頃、
本当は、私はいきいきと生きていたのかもしれない。
屈折の中、暗闇の中、
何かをひたすらに追い求めてた。
そして、そんな自分が嫌いで、
そして、私らしくて好きだった。
沢山、涙を流して
沢山、誰かに寄り掛かって、
沢山、誰かに抱きしめられて…。
東京を去ると決めた時、
そんな私に「生きる」ということを教えてくれた愛する人に、
永遠に一緒にいたいと、最後までワガママを言ったりもした。
永遠なんてこの世に無いのを知りながら。
あれから5年。
〝誰もが羨む〟生活。
仕事は大変だけど、なんだかんだと
ただ穏やかに日々は過ぎていく。
追い求めた平和がここにある。
あんなに欲しかった平安がここにはある。
過去は過去。
今は今。
そしてまだまだ未来が待っている。
平和な空間に、時々、息苦しくなったりもするけれど。
そんなことを、タバコを吸いながら
ぼんやり考えていたら
甘えて寄ってきた犬に「抱っこ」をせがまれ
『お前、くさーい! 今日はお風呂だからねっっ』
と言いながら、ギュッと抱きしめた。
でも、うまくはいかなかった。
心の底から愛されてた。
でも、やっぱりうまくはいかなかった。
自分の好きなものと
自分に合うもの
それって、どんなだっけ…?
ねぇ。
幸せって。
相手を幸せにすることかな?
それとも相手に幸せにしてもらうことかな?
どっちも違うと
今では思うんだ。
何もいらないよ。
ただ、キミの笑顔が私の心の中にありさえすれば。
-----------------------------------------------------------
何も不自由のない贅沢な日々。
でも
若い頃の情熱や感性は無くなってしまった。
愛した人も
愛してくれた人も
そして私も
今では家庭を持ち、それぞれに幸せに暮らしている。
あの頃、
本当は、私はいきいきと生きていたのかもしれない。
屈折の中、暗闇の中、
何かをひたすらに追い求めてた。
そして、そんな自分が嫌いで、
そして、私らしくて好きだった。
沢山、涙を流して
沢山、誰かに寄り掛かって、
沢山、誰かに抱きしめられて…。
東京を去ると決めた時、
そんな私に「生きる」ということを教えてくれた愛する人に、
永遠に一緒にいたいと、最後までワガママを言ったりもした。
永遠なんてこの世に無いのを知りながら。
あれから5年。
〝誰もが羨む〟生活。
仕事は大変だけど、なんだかんだと
ただ穏やかに日々は過ぎていく。
追い求めた平和がここにある。
あんなに欲しかった平安がここにはある。
過去は過去。
今は今。
そしてまだまだ未来が待っている。
平和な空間に、時々、息苦しくなったりもするけれど。
そんなことを、タバコを吸いながら
ぼんやり考えていたら
甘えて寄ってきた犬に「抱っこ」をせがまれ
『お前、くさーい! 今日はお風呂だからねっっ』
と言いながら、ギュッと抱きしめた。
最近、完璧主義も減ってきて…
あまり無理しない程度に
年日記をつづけていければなぁと。
とりあえず現状は、奥深い山で、椎茸栽培の修行をしております。
しかも。
つなぎ姿に長靴という、あまりにも私らしくない格好で、
日々、ほだ木を運んだりしています。
ある程度余裕ができてきたら、更新する予定です。
これは、私自身の記録でもあるから…。
皆さん、ありがとう。
とても大きな変化が沢山あった1年。
沢山の壁と沢山の決断があった。
悲しいこともいっぱいあったし、
気持ちが疲れてしまうこともあった。
いっぱい泣いた。でも、心の底から大声をあげて泣けた。
なんだかんだと、1年という月日は長い。
年日記を振り返りながら、なおさらそう思う。
ようやく、本当にようやく。
夜学を卒業。
仕事をしながら、家の事をしながら、3足の草鞋で夜学に通って、
無事に国家試験に合格。
若いコに交じっての学校生活。
若いコの3倍勉強しないとついていけない。
若いコの3倍勉強して、
クラスではトップ3に入っているように
とにかく必死に勉強した。
夜学から帰宅すると夜の11時。
それからシャワーだけ浴びて、朝まで勉強。
朝日とともにビールを飲んで寝る。
数時間後に起きて、家事を済ませ、仕事。
仕事が終ったら学校。
土曜日は朝から晩まで学校。
日曜日は死亡。
我ながら良く頑張りました。
ホント、定期試験の時期は、毎晩吐きながら勉強してたし。
だけど仲間も沢山できたし。
国家試験の日は、ウチで解答速報を見ながらクラスメイトの皆で打ち上げ。
長かったし、苦しかったけど、やりがいはあった。
その後の再就職も、とてもいい条件の所に決まり。
ただ今、再び頑張り中。
家族が増えた。
ペットショップに売れ残っていたコ。
売れ残りすぎて、値段も半額の、そのまた半額になってた。
まるで、私達を待っていてくれたみたいに、そのコが居た。
何週間もかけて、市内中のペットショップを回ったけど、
運命のようにそのコと出会った。
でも。
新米ママは、5日で育児ノイローゼ。
子どもを育てたこともなければ、
動物を飼ったこともないのだ。
憎たらしいし、言うこときかないし、日本語通じないし、
犬のくせにママより自分の方が偉いと思っているし、
オスのくせにパパ命だし…。
だけど。
良かったね、ウチのコになって。
ママはヒステリーで気分屋さんだから、
可愛がったり放置したりするけれど、
パパは一心に愛情をそそいでくれる。
これからはずっと家族だよ。
仲良く一緒に暮らしていこう。
車の運転も始めた。
20歳の時免許を取ってから、一度も運転をしたことがないこの私が、だ。
行動範囲も広がったし、家族を迎えに行けるようにもなった。
ただし。怖くて時速40㌔までしか出せませんが。
初心者マークって、何枚まで貼っていいんですかね…?
33歳。
着実に足元が固まってきている。
元々の不安定さと、これからの安定さ。
色々な人に支えられ、
家族に見守られ、
今の私がある。
人は、変わっていくのだとしみじみ感じる。
昔なら。
もっと感情的で
もっと悲観的で
もっと絶望的で
自分自身がまとまらなかった。
今でも、情緒不安定な部分があるけど、
色々な人と出会い、
色々な事にぶつかって、
それなりに歳を重ねてきて思う。
人生は素晴らしい…のかもしれない、と。
32歳。
2008年5月15日何も持っていなかったはずで
それで良かったはずなのに
色々なことが満たされると
ついつい欲張りになってしまう
全てのものがそこに有り
全てのことが叶っていく
でも
幸せになることに
恐怖心は無くなった
「主はあなたへの宣告を取り除き、あなたの敵を追い払われた。
あなたはもう、わざわいを恐れない。」
ゼパニア 3:15
かわいそうな自分が好きだった
不安定で
グラグラしてて
放っておけないような
それでも頑張って強がってる
それがある意味「私らしさ」だった
今の「私らしさ」って何だろう
新しい自分探しが
これから始まる
「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには 時がある。
生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。
植えるのに時があり、植えた物を引き抜くのに時がある。
殺すのに時があり、いやすのに時がある。
くずすのに時があり、建てるのに時がある。
泣くのに時があり、ほほえむのに時がある。
嘆くのに時があり、踊るのに時がある。
石を投げ捨てるのに時があり、石を集めるのに時がある。
抱擁するのに時があり、抱擁をやめるのに時がある。
捜すのに時があり、失うのに時がある。
保つのに時があり、投げ捨てるのに時がある。
引き裂くのに時があり、縫い合わせるのに時がある。
黙っているのに時があり、話をするのに時がある。
愛するのに時があり、憎むのに時がある。
戦うのに時があり、和睦するのに時がある。」
伝道者 3:1−8
すべては、時にかなって美しい。
それで良かったはずなのに
色々なことが満たされると
ついつい欲張りになってしまう
全てのものがそこに有り
全てのことが叶っていく
でも
幸せになることに
恐怖心は無くなった
「主はあなたへの宣告を取り除き、あなたの敵を追い払われた。
あなたはもう、わざわいを恐れない。」
ゼパニア 3:15
かわいそうな自分が好きだった
不安定で
グラグラしてて
放っておけないような
それでも頑張って強がってる
それがある意味「私らしさ」だった
今の「私らしさ」って何だろう
新しい自分探しが
これから始まる
「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには 時がある。
生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。
植えるのに時があり、植えた物を引き抜くのに時がある。
殺すのに時があり、いやすのに時がある。
くずすのに時があり、建てるのに時がある。
泣くのに時があり、ほほえむのに時がある。
嘆くのに時があり、踊るのに時がある。
石を投げ捨てるのに時があり、石を集めるのに時がある。
抱擁するのに時があり、抱擁をやめるのに時がある。
捜すのに時があり、失うのに時がある。
保つのに時があり、投げ捨てるのに時がある。
引き裂くのに時があり、縫い合わせるのに時がある。
黙っているのに時があり、話をするのに時がある。
愛するのに時があり、憎むのに時がある。
戦うのに時があり、和睦するのに時がある。」
伝道者 3:1−8
すべては、時にかなって美しい。
31歳。
2007年5月15日新しい生活に慣れるまでに、正直、昔より時間がかかるようになった。
でも。
父がいて、母がいて、兄弟がいて、甥っ子と姪っ子がいて。
かけがいのない、大切な家族。
そこには、揺ぎ無い愛がある。
そこに、私の生きる理由がある。
いつもの店に立ち寄れば、
いつもの仲間がいてくれる。
他愛も無いことで、笑って泣いてる間に、夜が更けて、
みんなで朝日を仰ぎ見る。
ありえないくらい、透明な青い空。
東京では、空が青いなんて思ったことが無かった気がするくらい。
毎週、教会に行くようになった。
賛美歌を覚え、聖書も読むようになった。
難しくて、まだ解らない事が多いけれど、
主が、人間を不完全に作った理由は、何となく解ってきた気がしている。
だから、私はこのままでいいんだと思う。
約10年間、携わってきた、医療の世界。
離れる事に、後悔や迷いは無かった。
新しい仕事は、10年先の私を、もっと輝かせてくれているだろう。
31歳。
いい年の取りかたをしてきたと思ってる。
穏やかな顔をしている、私がいる。
何を超えられたのかは分からないけれど、
きっと、何かを得たんだと思う。
でも。
父がいて、母がいて、兄弟がいて、甥っ子と姪っ子がいて。
かけがいのない、大切な家族。
そこには、揺ぎ無い愛がある。
そこに、私の生きる理由がある。
いつもの店に立ち寄れば、
いつもの仲間がいてくれる。
他愛も無いことで、笑って泣いてる間に、夜が更けて、
みんなで朝日を仰ぎ見る。
ありえないくらい、透明な青い空。
東京では、空が青いなんて思ったことが無かった気がするくらい。
毎週、教会に行くようになった。
賛美歌を覚え、聖書も読むようになった。
難しくて、まだ解らない事が多いけれど、
主が、人間を不完全に作った理由は、何となく解ってきた気がしている。
だから、私はこのままでいいんだと思う。
約10年間、携わってきた、医療の世界。
離れる事に、後悔や迷いは無かった。
新しい仕事は、10年先の私を、もっと輝かせてくれているだろう。
31歳。
いい年の取りかたをしてきたと思ってる。
穏やかな顔をしている、私がいる。
何を超えられたのかは分からないけれど、
きっと、何かを得たんだと思う。
出口
2006年5月15日30歳になりたかった。
早く早くなりたかった。
その歳を越えることができたなら、
何かが見えるような気がした。
何かが吹っ切れるような気がした。
待ち焦がれた30歳。
誕生日に、記念のピアスをあけた。
この時を待っていたかのように、
沢山のものが見え出した。
肩に乗っかっていた、1番重たいものがスルっと落ちていった。
ああ。
やっと。出口が見えた。
正直、産まれてきた事に心からの感謝はまだできてない。
そして、自分の遺伝子を残したいともまだ思えない。
でも、今生きていることには、
今まで生き抜いてきたことには、
素直に、シンプルに嬉しいと、良かったと、そう思える。
これから、新しい生活が始まる。
わくわくする。
どんな出来事が待っていてくれるだろう。
「東京のネオンは好きだけど、きっと恋しくはならないと思う。」
そう確信を持って言った私の言葉に、
ただ、「そうか。」と笑ってくれたのが、何よりの餞別だった。
早く早くなりたかった。
その歳を越えることができたなら、
何かが見えるような気がした。
何かが吹っ切れるような気がした。
待ち焦がれた30歳。
誕生日に、記念のピアスをあけた。
この時を待っていたかのように、
沢山のものが見え出した。
肩に乗っかっていた、1番重たいものがスルっと落ちていった。
ああ。
やっと。出口が見えた。
正直、産まれてきた事に心からの感謝はまだできてない。
そして、自分の遺伝子を残したいともまだ思えない。
でも、今生きていることには、
今まで生き抜いてきたことには、
素直に、シンプルに嬉しいと、良かったと、そう思える。
これから、新しい生活が始まる。
わくわくする。
どんな出来事が待っていてくれるだろう。
「東京のネオンは好きだけど、きっと恋しくはならないと思う。」
そう確信を持って言った私の言葉に、
ただ、「そうか。」と笑ってくれたのが、何よりの餞別だった。
さよなら。
2005年5月15日東京を発ったのは、まだ朝だった。
目的地まで、5〜6時間。
昼過ぎには、着くだろう。
単線2両の手動ドア。 田舎のローカル線。
大きくて、派手な花束を持っているだけでも目立つというのに、
こんな格好では、「よそ者」丸出しなのかもしれない。
皆が振り返って見ている気がする。
でも、あの人は、派手好きだ。
死んでいようと、生きていようと、こんな花束が丁度いい。
過ぎていく東北の雪景色。
川を2つ越えた。
懐かしさも、見覚えも、何も無い。
ただ、360度全てが、山に囲まれている。
15年ぶりに訪れる、小さな町。
祖父の葬式以来。
15年。
私の人生の、約半分。
想像していた程は、私の心は何も感じない。
「行くだけ行って、その後の事はその後考えればいい。」
そう言った親友の言葉が、ふと頭をよぎる。
駅を降りる。
ここからきっと、歩いて十数分の距離なのだろう。
でも、知らない町の雪道を、
ピンヒールのブーツで歩く程の体力は残っていない。
一台だけ止まっていたタクシーに乗り込む。
うっすらと記憶にある住所を、覚えているところまで告げるが、
運転手は首をかしげる。 無線で確認し始める。
それを遮る様に、今はもう通じるか分からない、
祖父の会社の名前を言ってみる。
途端に、運転手の姿勢がピンと伸びる。
「ご自宅の方で宜しいですか?」
ご自宅・・・というからには、誰かそこに住んではいるのだろう。
道すがら、ようやく覚えのある風景が見えてきた。
祖父の会社の横を通った。
祖父の蔵の数が減った分だけ、道が大きくなっていた。
家の前に着く。
運転手に、40分後に迎えに来てくれるよう頼んで、降りる。
40分。
それが、自分で区切った、タイムリミット。
私は、次の電車に乗って帰る。
車2台が十分にすれ違える幅の、門までの石の坂道。
登りきると、総ガラス張りの玄関が真正面に見える。
玄関から真っ直ぐに伸びる廊下から、
あの人が笑顔で小走りに出迎えに来てくれる姿が好きだった。
中を覗く。 真っ暗で、人が生活している気配はしない。
チャイムを押すが、やはり何の反応も無い。
松の木が重なり合って両手を広げる庭を
グルリとまわって、勝手口の方へ行ってみる。
そこからは、大音量のテレビの音が聴こえた。
いる。
そう確信した。
窓を覗き込む。
足の踏み場も無い程の、物が散らかった部屋。
生きてるか、死んでるか分からない、
一人の人間が横たわっている。
あの姿勢だと、死んでいてもおかしくない。
窓を叩く。
返事はない。
そこにいる人間は、ピクリとも動かない。
力を込めて、もう一度、窓を叩く。
人間が、急にビクッと動いた。
こちらを向いた。
「ばあちゃん・・・」
起き上がって、私の目の前の窓を開けるまでに数分。
じっとこちらを見ている。
反応は無い。
「ばあちゃん」
声をかける。 それ以上は言葉が出てこなくて、
必死に口をついた言葉は。
「大好きなお花を買ってきたのよ。 お部屋が明るくなればいいと思って。」
・・・・ 長い沈黙の後。
「あのぅ、そのような物は沢山頂いておりますから、結構です。」
白く濁った眼では認識できないか。
ボケているのか。
それとも。
これが血の繋がらない、という事なのか。
でも。
私にとっては、この人だけだ。
この人だけは、どんな時でも、決して、一度も、
私に「血の繋がらない」という言葉を発しなかった。
どうにかこうにか、怪しい者では無いことを悟ってもらい、
家の中に入れてもらう。
私が、あれだけ可愛がった孫娘だと、
彼女が認識するまでには、
かなりの時間を要した。
そうして。
長い間の空白を埋めることと、
最期の別れを互いの心の中ですることで。
あまりにも短い時間は過ぎていった。
そこに、予想通りの邪魔者が入る。
2組の親子がそこに揃っても、
片方は親子で、片方は親子にはなり得ない。
なんてことの無い、ほんの少しのしぐさや言動。
そこに見える、相手への理解と心配り、優しさ、愛情・・・。
「ああ、この人たちは、親子なんだ」と、はっきりと感じ取れる。
それを見せ付けられることが、子にも親にもなれない私にとっては、
脳をえぐられる思いだ。 頭がズキズキと痛む。
私の「母親」は、何か解らない言葉を、
キャンキャンと犬が吠え続けるように、私に向かって発し続ける。
その顔は、人間にはとても見えない。
最期の別れどころではなくなった雰囲気に、
私は黙ってその場を去った。
振り返って最期に見た祖母は、ただ涙を流し続けていた。
祖母にもらった、高価なダイヤがハート型に散りばめられたネックレスが
淋しく首の下で揺れた。
最期の面会時間は、たった30分。
彼女が私を最愛の孫娘だと認識して、涙を流したのは10分と無かった。
さよなら。ばあちゃん。
私がこの町に来ることは、もう二度と無いだろう。
目的地まで、5〜6時間。
昼過ぎには、着くだろう。
単線2両の手動ドア。 田舎のローカル線。
大きくて、派手な花束を持っているだけでも目立つというのに、
こんな格好では、「よそ者」丸出しなのかもしれない。
皆が振り返って見ている気がする。
でも、あの人は、派手好きだ。
死んでいようと、生きていようと、こんな花束が丁度いい。
過ぎていく東北の雪景色。
川を2つ越えた。
懐かしさも、見覚えも、何も無い。
ただ、360度全てが、山に囲まれている。
15年ぶりに訪れる、小さな町。
祖父の葬式以来。
15年。
私の人生の、約半分。
想像していた程は、私の心は何も感じない。
「行くだけ行って、その後の事はその後考えればいい。」
そう言った親友の言葉が、ふと頭をよぎる。
駅を降りる。
ここからきっと、歩いて十数分の距離なのだろう。
でも、知らない町の雪道を、
ピンヒールのブーツで歩く程の体力は残っていない。
一台だけ止まっていたタクシーに乗り込む。
うっすらと記憶にある住所を、覚えているところまで告げるが、
運転手は首をかしげる。 無線で確認し始める。
それを遮る様に、今はもう通じるか分からない、
祖父の会社の名前を言ってみる。
途端に、運転手の姿勢がピンと伸びる。
「ご自宅の方で宜しいですか?」
ご自宅・・・というからには、誰かそこに住んではいるのだろう。
道すがら、ようやく覚えのある風景が見えてきた。
祖父の会社の横を通った。
祖父の蔵の数が減った分だけ、道が大きくなっていた。
家の前に着く。
運転手に、40分後に迎えに来てくれるよう頼んで、降りる。
40分。
それが、自分で区切った、タイムリミット。
私は、次の電車に乗って帰る。
車2台が十分にすれ違える幅の、門までの石の坂道。
登りきると、総ガラス張りの玄関が真正面に見える。
玄関から真っ直ぐに伸びる廊下から、
あの人が笑顔で小走りに出迎えに来てくれる姿が好きだった。
中を覗く。 真っ暗で、人が生活している気配はしない。
チャイムを押すが、やはり何の反応も無い。
松の木が重なり合って両手を広げる庭を
グルリとまわって、勝手口の方へ行ってみる。
そこからは、大音量のテレビの音が聴こえた。
いる。
そう確信した。
窓を覗き込む。
足の踏み場も無い程の、物が散らかった部屋。
生きてるか、死んでるか分からない、
一人の人間が横たわっている。
あの姿勢だと、死んでいてもおかしくない。
窓を叩く。
返事はない。
そこにいる人間は、ピクリとも動かない。
力を込めて、もう一度、窓を叩く。
人間が、急にビクッと動いた。
こちらを向いた。
「ばあちゃん・・・」
起き上がって、私の目の前の窓を開けるまでに数分。
じっとこちらを見ている。
反応は無い。
「ばあちゃん」
声をかける。 それ以上は言葉が出てこなくて、
必死に口をついた言葉は。
「大好きなお花を買ってきたのよ。 お部屋が明るくなればいいと思って。」
・・・・ 長い沈黙の後。
「あのぅ、そのような物は沢山頂いておりますから、結構です。」
白く濁った眼では認識できないか。
ボケているのか。
それとも。
これが血の繋がらない、という事なのか。
でも。
私にとっては、この人だけだ。
この人だけは、どんな時でも、決して、一度も、
私に「血の繋がらない」という言葉を発しなかった。
どうにかこうにか、怪しい者では無いことを悟ってもらい、
家の中に入れてもらう。
私が、あれだけ可愛がった孫娘だと、
彼女が認識するまでには、
かなりの時間を要した。
そうして。
長い間の空白を埋めることと、
最期の別れを互いの心の中ですることで。
あまりにも短い時間は過ぎていった。
そこに、予想通りの邪魔者が入る。
2組の親子がそこに揃っても、
片方は親子で、片方は親子にはなり得ない。
なんてことの無い、ほんの少しのしぐさや言動。
そこに見える、相手への理解と心配り、優しさ、愛情・・・。
「ああ、この人たちは、親子なんだ」と、はっきりと感じ取れる。
それを見せ付けられることが、子にも親にもなれない私にとっては、
脳をえぐられる思いだ。 頭がズキズキと痛む。
私の「母親」は、何か解らない言葉を、
キャンキャンと犬が吠え続けるように、私に向かって発し続ける。
その顔は、人間にはとても見えない。
最期の別れどころではなくなった雰囲気に、
私は黙ってその場を去った。
振り返って最期に見た祖母は、ただ涙を流し続けていた。
祖母にもらった、高価なダイヤがハート型に散りばめられたネックレスが
淋しく首の下で揺れた。
最期の面会時間は、たった30分。
彼女が私を最愛の孫娘だと認識して、涙を流したのは10分と無かった。
さよなら。ばあちゃん。
私がこの町に来ることは、もう二度と無いだろう。
愛する。
2004年5月15日大切にしまってあった物も全部捨てて。
本もCDも売りとばして。
仕事に復帰できた時の為に取っておいた
専門書も処分して。
今、生活に本当に必要な物だけ残して。
あとは。
気持ちの整理だけ、だ。
思い残す事も無いけれど。
未来に願うものなんてないけれど。
過去の出来事が心に残した爪痕は、
寝ている私までを襲って。
夢や、無意識にうなされて、
時々、呼吸すら危くなる。
でも。
28年間生きてきて。
今の私が、最高に好き。
ねえ。
最後の最後で。
私は、やっと。
自分を愛せたよ。
本もCDも売りとばして。
仕事に復帰できた時の為に取っておいた
専門書も処分して。
今、生活に本当に必要な物だけ残して。
あとは。
気持ちの整理だけ、だ。
思い残す事も無いけれど。
未来に願うものなんてないけれど。
過去の出来事が心に残した爪痕は、
寝ている私までを襲って。
夢や、無意識にうなされて、
時々、呼吸すら危くなる。
でも。
28年間生きてきて。
今の私が、最高に好き。
ねえ。
最後の最後で。
私は、やっと。
自分を愛せたよ。
朝。
どうにもこうにも起き上がれずに、布団の中から
彼の出勤を見送る。
そのまま布団の中で、
昨夜遅くに、彼氏の元に送り届けた
妹分からのメールに、返信。
友人から、誘いの連絡。
なんとなく断る。
回る洗濯機をボーっと眺める。
昼。
美容院へ。
明後日は会食だから、
髪の色を落ち着いた色に変えた。
帰り道に、市場へ。
食材を少々購入。
帰ってきてテレビをつける。
また2人捕まったとか何とか。
いい加減、ウザい。
すぐ消す。
もう聴き飽きただろう?
と突っ込まれるくらい聴いてる
CDをまたかける。
子供の声がうるさくてたまんないから、
開けていた窓を閉めて、
カーテンも引いて。
それでも、
『バイバーイ』と繰り返される騒音に、
『バイバイ』は1回言えばいいんだよ、
と、いつも通り、ムカついてみたりする。
身辺整理の続きは、
迷うことなく捨てるだけのくせに、
中々はかどらない。
タバコを1本。
もう何回転もしてるCD。
いつもこの曲が流れてきた時だけ、
同じフレーズだけを、
飛び飛びで口ずさむ。
『抱いたはずが突き飛ばして
包むつもりが切り刻んで
撫でるつもりが引っ掻いて
夢見てるから儚くて
探すから見つからなくて
欲しがるから手に入んなくて
キスしながら唾を吐いて
舐めるつもりが噛みついて
着せたつもりが引き裂いて』
いつも私が口ずさむのはそこだけ。
『今日も遅くなりそうだ。
ちゃんと飯食ったか?』
彼からのメールに、
ああ、そういや食べてないや、と台所へ。
でもやっぱり何も食べられなさそうで、
水分だけ補給。
タバコをもう1本。
かったるい。
時計の秒針をグルグルと目で追ってみた。
どうにもこうにも起き上がれずに、布団の中から
彼の出勤を見送る。
そのまま布団の中で、
昨夜遅くに、彼氏の元に送り届けた
妹分からのメールに、返信。
友人から、誘いの連絡。
なんとなく断る。
回る洗濯機をボーっと眺める。
昼。
美容院へ。
明後日は会食だから、
髪の色を落ち着いた色に変えた。
帰り道に、市場へ。
食材を少々購入。
帰ってきてテレビをつける。
また2人捕まったとか何とか。
いい加減、ウザい。
すぐ消す。
もう聴き飽きただろう?
と突っ込まれるくらい聴いてる
CDをまたかける。
子供の声がうるさくてたまんないから、
開けていた窓を閉めて、
カーテンも引いて。
それでも、
『バイバーイ』と繰り返される騒音に、
『バイバイ』は1回言えばいいんだよ、
と、いつも通り、ムカついてみたりする。
身辺整理の続きは、
迷うことなく捨てるだけのくせに、
中々はかどらない。
タバコを1本。
もう何回転もしてるCD。
いつもこの曲が流れてきた時だけ、
同じフレーズだけを、
飛び飛びで口ずさむ。
『抱いたはずが突き飛ばして
包むつもりが切り刻んで
撫でるつもりが引っ掻いて
夢見てるから儚くて
探すから見つからなくて
欲しがるから手に入んなくて
キスしながら唾を吐いて
舐めるつもりが噛みついて
着せたつもりが引き裂いて』
いつも私が口ずさむのはそこだけ。
『今日も遅くなりそうだ。
ちゃんと飯食ったか?』
彼からのメールに、
ああ、そういや食べてないや、と台所へ。
でもやっぱり何も食べられなさそうで、
水分だけ補給。
タバコをもう1本。
かったるい。
時計の秒針をグルグルと目で追ってみた。
平和ボケだよなぁ。
2004年4月13日メディアがなぜああやって、
ギャアギャア騒いでいるか。
裏にあるものを隠すためじゃんね。
同じ情報が繰り返されてる裏で、
もっとももっと深刻な事態は近づいてる。
現に。
政治家が一斉にマイクに向かい始めたのは、
その注目を集め、
裏にあるもっと大きな出来事を隠そうとする為だ。
日本は、あと少しで潰されるんだろう。
ま、メディアもあおり過ぎだけどね。
莫大な金だって、
水面下で動いてんだよ。
マスコミが報道してるのなんて、
表面的なほんの一握りなんだ。
一般に明らかにしたら、
もっとマズイ状況になるからね。
イラクの町の中、銃声が鳴り響く。
戦闘の真っ只中。
女、子供も無いんだよ。
生きるか、死ぬか。
殺すか、殺されるか。
あんだけ、ドンパチやってる国で、
人質に飯食わして、大切に生かしておくなんて
余裕は無いんだよ。
もし、全員無事に助かったとしたら、
それは確実に?裏?だよな。
家族を守ってくれ?
そんな事言えない人々が、どんだけいると思ってんだよ。
何かのせいにして、
何かに守ってもらえるのが当たり前だと思って、
マイクの前で吠えてるのが、どんだけ滑稽か。
日常が戦地と化されている状況、
目の前で家族が殺されていくのを、
見ているだけしかできない人の気持ちなんて、
棚上げだよな。
自分の国が平和だから、
そんな事も考えられないんだよ。
騒ぐだけ騒いで、
謝罪が遅すぎるんだよ。
誰に諭されたか知らないけどね。
政治家すら、可哀想になってくるよな。
油が欲しかっただけなのにね。
ま。その欲も、どうかとは思うけどさ。
っていうか、全てがお芝居みたいに思えてくるよね。
後々に出てくるであろう、今は隠されている?裏?も含め、
これだけのストーリーを作り上げた人間たちは、
一体どこの誰だろうね?
興味深いよ。
国だ? 政治だ?
人質だ? テロだ? 正義だ?
そんな単語、考えられないところで生きてる人がいるんだよ。
毎日、一分一秒、?生?と?死?なんだよ。
誰だって。
今よりもっと良い生活を望みたくなる。
でも。
レベルが違いすぎるんだよ。
毎朝、目覚ましの音で起きて、
寝ぼけながら朝食食って、
芸能人がどうしたの、今週のランキングは・・・なんて
平和なニュースを見て、
働いて、金貰って、
何かが無くなったら、買えばいい生活をしていて。
銃声で起きる人たちの気持ちなんて、
こんな機会でも無いと考える事だってできないくせに。
戦争なんて。
人間の?マビキ?なんだ。
そうしないと生物界の生体ピラミッドは、崩れるんだよ。
一分一秒でも、
この世界に生命を殺し合わなかった時間なんて
有り得無いんだ。
平和すぎて、おかしくなりすぎてんだよ。
そこにあるものが、当たり前だと思いすぎなんだよ。
未だ、発達した文化を持てない人間たちが、
足以外の移動手段を持ち、
それどころか、携帯ポチポチやって、
冷暖房完備の建物の中、
不満ブーブー言いながら、
金を稼いでいる人間たちの姿を見たら、
何て思うんだろうな・・・。
ま。
いいんだけどね。
何不自由ない生活をしてることを棚に上げながら、
今、世界が滅びようが、
何とも思わない私のような人間もいることだし。
命ある、全ての個体の、
足踏みが揃う事なんて無い。
それぞれの個体が、
それぞれの考えや、想いや、価値観で、
生きている。
それぞれの集団や、信仰や、文化で、
生きている。
そして、全てのものに、終りは訪れる。
恐竜だって滅びたんだ。
人間だって滅びるんだよ。
ただ、自分が生きている間には、
滅びて欲しくはないだけの話だろ?
自分に大切な家族がいるから、
それに重ね合わせて、
家族の心情を察しようとするだけの話だろ?
何だかんだ言ったってさ。
結局は。
各論か、総論か、だけの話だよな。
・・・・私の考えも、ちっちぇーなぁ・・・・。
ギャアギャア騒いでいるか。
裏にあるものを隠すためじゃんね。
同じ情報が繰り返されてる裏で、
もっとももっと深刻な事態は近づいてる。
現に。
政治家が一斉にマイクに向かい始めたのは、
その注目を集め、
裏にあるもっと大きな出来事を隠そうとする為だ。
日本は、あと少しで潰されるんだろう。
ま、メディアもあおり過ぎだけどね。
莫大な金だって、
水面下で動いてんだよ。
マスコミが報道してるのなんて、
表面的なほんの一握りなんだ。
一般に明らかにしたら、
もっとマズイ状況になるからね。
イラクの町の中、銃声が鳴り響く。
戦闘の真っ只中。
女、子供も無いんだよ。
生きるか、死ぬか。
殺すか、殺されるか。
あんだけ、ドンパチやってる国で、
人質に飯食わして、大切に生かしておくなんて
余裕は無いんだよ。
もし、全員無事に助かったとしたら、
それは確実に?裏?だよな。
家族を守ってくれ?
そんな事言えない人々が、どんだけいると思ってんだよ。
何かのせいにして、
何かに守ってもらえるのが当たり前だと思って、
マイクの前で吠えてるのが、どんだけ滑稽か。
日常が戦地と化されている状況、
目の前で家族が殺されていくのを、
見ているだけしかできない人の気持ちなんて、
棚上げだよな。
自分の国が平和だから、
そんな事も考えられないんだよ。
騒ぐだけ騒いで、
謝罪が遅すぎるんだよ。
誰に諭されたか知らないけどね。
政治家すら、可哀想になってくるよな。
油が欲しかっただけなのにね。
ま。その欲も、どうかとは思うけどさ。
っていうか、全てがお芝居みたいに思えてくるよね。
後々に出てくるであろう、今は隠されている?裏?も含め、
これだけのストーリーを作り上げた人間たちは、
一体どこの誰だろうね?
興味深いよ。
国だ? 政治だ?
人質だ? テロだ? 正義だ?
そんな単語、考えられないところで生きてる人がいるんだよ。
毎日、一分一秒、?生?と?死?なんだよ。
誰だって。
今よりもっと良い生活を望みたくなる。
でも。
レベルが違いすぎるんだよ。
毎朝、目覚ましの音で起きて、
寝ぼけながら朝食食って、
芸能人がどうしたの、今週のランキングは・・・なんて
平和なニュースを見て、
働いて、金貰って、
何かが無くなったら、買えばいい生活をしていて。
銃声で起きる人たちの気持ちなんて、
こんな機会でも無いと考える事だってできないくせに。
戦争なんて。
人間の?マビキ?なんだ。
そうしないと生物界の生体ピラミッドは、崩れるんだよ。
一分一秒でも、
この世界に生命を殺し合わなかった時間なんて
有り得無いんだ。
平和すぎて、おかしくなりすぎてんだよ。
そこにあるものが、当たり前だと思いすぎなんだよ。
未だ、発達した文化を持てない人間たちが、
足以外の移動手段を持ち、
それどころか、携帯ポチポチやって、
冷暖房完備の建物の中、
不満ブーブー言いながら、
金を稼いでいる人間たちの姿を見たら、
何て思うんだろうな・・・。
ま。
いいんだけどね。
何不自由ない生活をしてることを棚に上げながら、
今、世界が滅びようが、
何とも思わない私のような人間もいることだし。
命ある、全ての個体の、
足踏みが揃う事なんて無い。
それぞれの個体が、
それぞれの考えや、想いや、価値観で、
生きている。
それぞれの集団や、信仰や、文化で、
生きている。
そして、全てのものに、終りは訪れる。
恐竜だって滅びたんだ。
人間だって滅びるんだよ。
ただ、自分が生きている間には、
滅びて欲しくはないだけの話だろ?
自分に大切な家族がいるから、
それに重ね合わせて、
家族の心情を察しようとするだけの話だろ?
何だかんだ言ったってさ。
結局は。
各論か、総論か、だけの話だよな。
・・・・私の考えも、ちっちぇーなぁ・・・・。
サクラ。
2004年4月3日満開の桜。
今年はあまり綺麗じゃないって
皆が言うけれど。
北海道はまだ雪に埋もれてるこの時期。
去年はまだ、桜を見る余裕も無かった。
ってなことで。
私にとっては10年ぶりの桜。
風が吹く。
桜吹雪。
きれい。
とても。 きれい。
舞った桜の花びらに包まれて。
暖かい日差しの中。
ぼんやりとした幸せを噛み締める。
今年はあまり綺麗じゃないって
皆が言うけれど。
北海道はまだ雪に埋もれてるこの時期。
去年はまだ、桜を見る余裕も無かった。
ってなことで。
私にとっては10年ぶりの桜。
風が吹く。
桜吹雪。
きれい。
とても。 きれい。
舞った桜の花びらに包まれて。
暖かい日差しの中。
ぼんやりとした幸せを噛み締める。
背中。
2004年3月29日あの人は。
あの時。
私に片手を挙げて
永遠のサヨナラをして。
下るエスカレーターの上で。
未来に明かりを感じたのだろうか。
それとも。
過去の明かりを思い返したのだろうか。
その背中は。
あまりにも無表情で。
私には分からなかった。
あの時。
私に片手を挙げて
永遠のサヨナラをして。
下るエスカレーターの上で。
未来に明かりを感じたのだろうか。
それとも。
過去の明かりを思い返したのだろうか。
その背中は。
あまりにも無表情で。
私には分からなかった。
一服。
2004年3月28日タバコを1本くわえて。
ラルゴを聴きながら。
ライターで火を点ける。
ゆっくりと煙を吸って。
気管支に違和感を感じて。
肺に達さないまま。
煙を吐く。
でも。
とてもゆっくりと。
煙を吐く。
電気が眩しくて。
部屋を暗くして。
余った片方の手で、
机を鍵盤代わりにして。
ラルゴの主旋律を指で叩く。
ラルゴを聴きながら。
ライターで火を点ける。
ゆっくりと煙を吸って。
気管支に違和感を感じて。
肺に達さないまま。
煙を吐く。
でも。
とてもゆっくりと。
煙を吐く。
電気が眩しくて。
部屋を暗くして。
余った片方の手で、
机を鍵盤代わりにして。
ラルゴの主旋律を指で叩く。
なんて後ろ向きな・・・。
2004年3月27日『40数年間生きてきて、
1番幸せだった時って?』
親友に尋ねる。
『1番、ってのは無いよ。
だって、1番の幸せは、これから訪れるから。』
ああ。
この人は。
こうだから。
前向きに生きていけるんだな・・・。
私は。
私の。
人生1番の幸せも。
人生1番の辛い事も。
終わってしまって。
もうこれ以上もこれ以下も無いところで
生きてると思ってるから。
お墓のチラシなんてチェックしてられるんだろうなぁ。
1番幸せだった時って?』
親友に尋ねる。
『1番、ってのは無いよ。
だって、1番の幸せは、これから訪れるから。』
ああ。
この人は。
こうだから。
前向きに生きていけるんだな・・・。
私は。
私の。
人生1番の幸せも。
人生1番の辛い事も。
終わってしまって。
もうこれ以上もこれ以下も無いところで
生きてると思ってるから。
お墓のチラシなんてチェックしてられるんだろうなぁ。
封印。
2004年3月26日1番欲しいものは。
数年前から変わらず。
自分の墓。
最初は。
「死んでまで彷徨うのが嫌」だったから。
「自分の生きた証が欲しかった」から。
それから。
封印して欲しかった。
私の骨が散らばらないように。
粉々になるまで燃やして。
骨壷に入れて。
土になんて帰さないで。
望んで生を受けた訳じゃないけど、
死んでまで残してはいけない。
土になんて撒いたら。
それを微生物が摂取したら・・・。
残さないで。
何にも。
残ったものは。
封印して。
数年前から変わらず。
自分の墓。
最初は。
「死んでまで彷徨うのが嫌」だったから。
「自分の生きた証が欲しかった」から。
それから。
封印して欲しかった。
私の骨が散らばらないように。
粉々になるまで燃やして。
骨壷に入れて。
土になんて帰さないで。
望んで生を受けた訳じゃないけど、
死んでまで残してはいけない。
土になんて撒いたら。
それを微生物が摂取したら・・・。
残さないで。
何にも。
残ったものは。
封印して。
ゴール。
2004年3月24日楽しみにしていた、
彼のバスケの試合には行けなくて。
一回戦の相手が、
去年ベスト4入りしたチームなのが
気がかりで。
速攻に強いチームメイトも試合に出ないし、
ポイントゲッターの後輩は調子がイマイチだし、
ディフェンスの先輩も最近練習に来てなかったし。
勝つといいな。
そしたら、2回戦目は絶対応援に行くのにな。
メール着信。
『4連発の3ポイント!
チーム内最高得点26点を決めたよ。』
ガッツポーズしてる彼の姿が目に浮かぶ。
見たかったな・・・。
彼のバスケの試合には行けなくて。
一回戦の相手が、
去年ベスト4入りしたチームなのが
気がかりで。
速攻に強いチームメイトも試合に出ないし、
ポイントゲッターの後輩は調子がイマイチだし、
ディフェンスの先輩も最近練習に来てなかったし。
勝つといいな。
そしたら、2回戦目は絶対応援に行くのにな。
メール着信。
『4連発の3ポイント!
チーム内最高得点26点を決めたよ。』
ガッツポーズしてる彼の姿が目に浮かぶ。
見たかったな・・・。