世間体

2002年10月16日


幼い頃から、両親に言われた事。
「お友達は、そのコの成績と、家柄で決めなさい。」


その頃から、疑問は感じていた。
だから、そんなコとは友達になりたいとも思わなかった。


私は、クラスに精神薄弱者のコがいれば、そのコと仲良くしたし、
不登校のコがいれば、そのコと仲良くした。
勿論、普通の友達もいたけれど。


両親は、それに怒り、学校まで出向いていったほどだ。
でも、私は。
心の痛みが分かる友人が、一番信頼できた。


++++++++++++++++++++


確かに、私は少しばかり裕福な家庭で育った。
親戚も、皆、優秀で、金持ちだった。
しかし、祖母がいつも嘆いたことは、
「うちには、医者だけがいない」という事だった。


医者がいなければダメなの?
医者がいないと、この血筋は途絶えるの?
医者がいないと、何が困るの?


++++++++++++++++++++


私は、祖母にとって、たった一人の「孫娘」だ。
従兄弟は全て男。そして、誰も医者にはなれなかった。


だから、私は幼い頃から、
「貴女はお医者様と結婚するのよ。」と、周り中に言われながら、
その期待を一心に向けられながら、育った。


お医者様に嫁がせても、恥ずかしくない女になれるよう、
その為の、習い事や、教育、しつけに、
誰もがお金を惜しがらなかった。


++++++++++++++++++++


・・・ところが。どうだろう。
こんな今の私は。
そして、私の旦那は、医者どころか高卒だ。
職業だって、ただのコンピュータープログラマーだ。


おかげで。
私が結婚した事実は、両親しか知らない。
祖母も、親戚も、誰も知らない。
のん気に、私の見合い相手の医者でも、探しているのだろう。


私の結婚を知った両親は激怒し、そして言った。
「お前のせいで、世界の片隅で小さくなって、
泣きながら生きていくしかない・・・。」
その言葉に、私は何の気持ちも沸き起こらなかった。


私は、私だ。
私の人生は、私のものだ。
それは、譲れない。


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