先生

2002年12月19日コメント (1)


18歳の時。家を出て。
初めての一人暮らし。
初めての夜。


解放感と共に襲う、孤独感。


そんな時、引いたばかりの電話が、鳴った。


「もしもし」


名乗らなくたって、声ですぐ分かる。
涙が溢れた。


「先生・・・」


+++++++++++++


あの時と、変わらない声。


「元気でやってるか?」

「離婚するの。そっちに帰るわ。」

「なーにやってんだよ、お前は。」

「っていうか、何年ぶり?(笑)」

「2年ぶり(笑)。 もうすぐクリスマスだなと思ってたら、
お前の誕生日を思い出したんだ。」

「先生、いくつになった?」

「もう40だよ。オジサンだ(笑)」

「そっかー。私なんて、まだ30にもなってないんだよ。
若いでしょ?(笑)」

「じゃあ、お前が帰ってきたら、また錦糸町ででも
デートしてやらないとな(笑)。」


++++++++++++++


高校時代、通っていた予備校の、日本史の先生。


「大学落ちたら、結婚しよう」なんてプロポーズまでしてもらった(笑)。


高校生だった私は、何とか先生と釣り合いを取りたくて、
一生懸命、背伸びしたお洒落をして。
でも、先生は、一回り以上も年が違う私に安心してたのか、
いつも子供みたいに、クリームソーダを嬉しそうに食べてた。


先生が別の女性と結婚してからも、
私が近くに遊びに行くたびに会って、
プリクラを取って、
それらは未だに先生の定期入れに張ってある。


まだ、その時の先生の歳にもなっていない私。
あの頃、若すぎた私を、先生はどんな目で
見てたんだろうね・・・。


離れていても、年月がたっても、
過去の綺麗な思い出は変わらない。


先生の優しい声を聞くと、
懐かしくて、涙が出るんだ。


近々会ったら、ビックリさせてあげる。
あの頃よりいい女になった、
私に会うのを、楽しみにしててね。


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