戸籍 (秘密メモ、追記しました)
2003年1月7日父親が転勤族だったこともあり、
私の本籍は、ずっと父親の実家の住所だった。
だから、いくら引越しを繰り返しても、本籍は変わらなかった。
遊びに行った事はあっても、住んだ事はない土地にある本籍。
それでも、「変わらない」事に、何か重要な想いを馳せていた。
2年ごとに変わる住所。
ずっとずっと、変わらなかった本籍。
「故郷」の無かった私にとっては、
ある意味、「原点」だったのかもしれない。
結婚し、生まれて初めて、本籍が変わった。
長い間、馴染んできた住所は、免許証からも、消えた。
その代わりに手にした、新しい本籍に、
私は正直、少しの不安があった。
本籍っていうのは、ずっと変わらないもの、という感覚があった。
同棲時代から継続して住み続けた、安くて古い、今のアパート。
何度か「引越し」の話題はあった。
引越したら、住所と共に本籍も変わる。
そのことに、なぜか物凄く抵抗があった。
だから、結婚する際、夫の父親宅の住所を本籍にしたいと申し出た。
元々は、夫の本籍もそこだったのだから、
嫁に嫁いだ私がそこに入っても、何ら問題は生じない。
舅の家は、最終的には夫が手にするものだったのだし。
しかし、姑が反対した。
舅と別れ、一人でアパート暮らしをしていた姑には、
私の申し出が面白くなかったらしい。
只でさえ、自分の子供の中で一番可愛がっていた夫を取られたのだから、
その想いは当然だっただろう。
結局、現住所がそのまま本籍となり、今に到る。
離婚をした後、私は1人きりの戸籍となる。
実家に戻るつもりは無い。
そして・・・。
私の本籍は、今後、引越すたびに、
転々と移動するのだろう。
「ずっと変わらなかったもの」は、無くなった。
宙に浮くイメージ。
根っこが毟り取られる感覚。
何故、そんなに「戸籍」や「本籍」に捕われるのかは、
自分が一番良く分かってる。
でも、私には深い意味のあるものだった。
新しい戸籍。
「妻」と書かれた自分。
それをニヤニヤ眺め、オカズにしながら、
2時間は酒が美味しく飲めた、数年前。
再び新しく手にする、今度は、1人きり、の戸籍を見ながら、
私はどんな想いで、酒を飲むのだろう・・・?
そして・・・。
本籍が「変わるもの」になってしまったことを、
どう受け入れていくのだろう・・・?
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