譲れないこと
2003年1月9日・・・久しぶりの男漁り。
中々の相手だった。
飲み屋から出た後、当たり前の様にホテルに誘われた。
同棲していた男との性生活も、既に途絶えていて、
「ま、いっか。」くらいの気持ちだったはずなのに、
なぜか私は男の誘いを断って
タクシーに飛び乗った。
朝。
目を覚ましながらも、布団の中でぼんやりしていると、
隣に寝ていた同棲相手の男が、急に口を開いた。
「・・・やっぱり、一緒になるか?」
それが、夫になった人からのプロポーズだった。
最初は、結婚を前提としての同棲だったが、
その頃にはもう、同棲も解消寸前の状態だった。
会話も、コミュニケーションも、セックスも無く、
ただ、一緒に暮らしているだけの日々。
それでも、わずかな期待を残し、
私は求め続けた「家族」を手に入れようと、もがいてた。
思いもよらなかったその一言。
昨夜、この人を裏切らなくて良かったと、
心底思った。
そうして、私はやっと「家族」を手に入れた。
「家族」はあったかくて、心強くて、
心が満たされ、潤った。
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離婚を目前にして、
夫は、朝帰りをすることもあるけれど、
私に対してとても優しい。
それがどういうつもりかは、正直分かんないけど、
あれだけ私の精神を掻き乱していた人が、
私が安心できるような環境を、作ってくれているのを、
日々痛感する。
ああ、この人と結婚してよかったな。
今はそう思える。
裁判に持ち込むことも無く、
穏やかに離婚の準備をする。
悔いは無い。
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離婚のことは、私の両親には言わないが、
知れば間違いなく、どんな手段を使ってでも、
私を連れ戻そうとするだろう。
そして、見合いをさせて、医者に嫁がせる。
その為に両親は、私の結婚を親族に知らせていないのだから・・・。
そこから如何にして逃れるか。
あらゆる手段で私を探し出そうとする相手に対し、
できるだけの手段でそれを阻止する。
その為に、私の戸籍やら本籍やらは、
一時期あちこちに移動しまくるだろう。
中には、転出先の住所を非公表にしてくれる役場があるというが、
ほとんどがストーカー対策で、
そこには事実確認の為、警察の取調べも行われるらしい。
・・・何か、逃亡者の気分だ。
いや、逃げているだけなのは分かっている。
でも、逃げるしかないんだ。
まともに話が通じる相手ではない。
逃げると決めたら、徹底的に逃げる。
未来の私の為に、
私は私を「道具」としか見ない「親」と称される人たちの
言いなりになるつもりは無い。
私は、もうあなたたちの「道具」じゃない。
私は、私の未来に向かって、
ただ、ただ、必死に生きてくだけだ。
私の人生について、
私は、誰の希望も指図も意見も、
受け付ける気は全く無い。
私の人生だ。私自身が決める。
それは絶対に譲らない。
譲れない。
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