私は、幼い頃から、看護士になりたいと思った事は、
一度も無い。
看護士になるくらいなら、医者になりたい、
そう思っていたからだ。
私の幼い頃の夢は、女医さんだった。


確かに、医療業界で、看護士の資格ほど
強いものは無いかもしれない。
女性にとってはね。
何歳になっても、どんなブランクがあっても、
仕事があるのだから。


ただ。 だからと言って、
看護士が嫌いな訳ではなく。
医療業界で働いてきている、私の周りには、
沢山の仲良し看護士さんがいる。
まあ、オバちゃんばっかだけど。


そして。
私が今まで出会ってきた中で、
この人ほど、尊敬に値する看護士がいるだろうか、という、
以前一緒に仕事をしていた、年配の女性がいる。


んで。
今日は、その人と飲んできた訳で。


彼女は、旅立つ私の為に、
3枚のハンカチをプレゼントしてくれた。


「このハンカチはね。
悲しい涙を拭くためにあげる訳じゃない。
あんたが、嬉しくて、嬉しくて、
涙がこらえきれない程嬉しくて、
そんなとき、その嬉し涙を拭くために、使いなさい。」

「ほんっと、難しい事言うよねぇ(笑)。
分かったよん。
一枚使うごとに、メール入れるわ。」

「あんたのことだから、自分を苦しめてばかりで、
きっとそのメールが届く頃には、
私は引退してんだろうねぇ。」

「そんなに私を幸せにしたくないのぉぉ?(笑)」

「幸せに、なんなさいよ。」

「はい・・・。」


・・・お母さんみたいな人・・・。


そして、彼女の看護やケアに対する考え方が、
私は好きでたまらない。


「こういうケースの患者さんがいるんだけど、
あんただったらどうする?」
「私なら、こうするね。」
「そっかあ。でも、こういうやり方もいいと思わない?」
なんて、まるで、カンファレンスみたいな話もして。


「私も看護士免許、取ろうかな。
でもさ、損得勘定だけでなろうったって、
そんな甘い世界じゃないしね。
それ以前に、向いてないと思うしさ。」

「そうだね。あんたは看護士には向いてないかも(笑)。
あんたに向いてんのは、介護関係だね。」

「あ、それ、ビンゴ(笑)。
でも、私が最終的に目指してるのは、
ちょっと違うんだー。」


そんな話を、ワイワイしながら。
飲んで、食べて、煙を吐いて。


もう、会えなくなっちゃうなんて実感など無く。


最後に。
「白髪はちゃんと、1ヶ月半に1回は染めなくちゃダメだよー。」と、
口をすっぱくして言い続けて来たセリフを残し、
笑いながら、バイバイする。


嬉し涙を拭く為のハンカチは。
大切な日の為に、ちゃんと取っておくよ・・・。


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